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適応障害

ストレスを放置すると重症化する適応障害に注意しましょう

●適応障害とは?


適応障害とは、特定の環境や出来事がストレス因となって気分など様々な精神面や行動面に症状が現れるものです。こころの病気の中でもとても頻度が多い疾患で、有病率は5~20%とも言われています。
環境に適応できないのは「本人の努力が足りないのではないか」「甘えているだけだはないのか」との誤解を生みがちですが、ささいな環境の変化でも、本人の価値観と職場や家族間での価値観に大きなギャップがあると大きなストレスがかかり、適応障害を発症してしまうことがあります。会社でよくあるのは、部署移動して業務内容が変わってついていけない、上司や同僚との人間関係がうまく行かずに会社に行けなくなってしまう、などの状況です。
最初は軽い抑うつ状態でも、次第に重症化してしまうケースもあるので、適応障害は重篤な病気の前段階の可能性もあるといえ、注意が必要です。

●適応障害の症状


適応障害によって心身におこる症状は、ストレスで生じる症状すべて、つまり適応障害ではどのような症状でも生じる可能性があります。
具体的な例としては、抑うつ気分、不安、怒り、焦りや緊張などの情緒面の症状、行動面では、行きすぎた飲酒や暴食、無断欠席、無謀な運転やけんかなどの攻撃的な行動がみられることもあります。不安や緊張が高まると、どきどきしたり、汗をかいたり、めまいなどの症状がみられることもあります。
ある環境に適応できないストレスから症状が生じるのが適応障害ですから、「その症状が適応できていない環境が原因で生じているのかどうか」という点が重要になります。「適応できない環境にあること」が原因であって、ストレスとなっている環境から離れれば比較的速やかに症状は改善していくという事でもあります。
会社の環境がストレス因となっていれば、勤務日は憂うつで不安も強く、緊張して手が震えたり、めまいがしたり、汗をかいたりするかもしれませんが、休日には憂うつ気分も少し楽になったり、趣味を楽しむことができる場合もあります。

●適応障害の診断基準


適応障害とは、ICD-10(世界保健機構の診断ガイドライン)によると

1.ストレス性の出来事、状況、あるいは生活上の危機など明らかなストレス因があって、1か月以内に症状が出現
2.著しい苦痛や生活に支障がある
3.ほかの精神疾患でも、死別反応でもない (うつ病など他の病気でないこと)
4.ストレス因がなくなると改善し、6カ月以内によくなる

とされています。

環境が原因となる病気が適応障害ですから、原因をはっきりさせることが必要になります。
ストレスが終結してから6カ月以上症状が持続することはないとされていますが、ストレスが慢性的に存在する場合は症状も慢性に経過します。

●適応障害とうつ病の違い


適応障害は「ほかの精神疾患でも、死別反応でもない (うつ病など他の病気でないこと)」が診断基準になると述べましたが、適応障害かうつ病かどうかは、原因や症状の経過から判断していくことが多いです。
会社が原因となっている適応障害では、休日には憂うつ気分が楽になったり、趣味を楽しめることもありますが、うつ病となると環境が変わっても気分は晴れず、休日も憂うつ気分は続き、何をしても楽しくない状態が続きます。これが適応障害とうつ病の違いです。

●適応障害の治療-ストレス因の除去(環境調整)


適応障害は環境がストレス因となっているのですから、ストレス因の除去とは、環境調整、つまり環境から離れることです。環境から離れることによって症状は比較的速やかに軽快していくでしょう。今置かれている環境から逃れるだけでは根本的な解決にはなりませんから、自分の適応力を高める必要もあります。しかし、精神的に不安定な状態で自分だけで適応力を高めることは難しいので、医師とともにまずはストレス因となっている環境への対処方法を考え、精神状態を安定させたた上で環境を調整・変更したり、自分の適応力を高める方法を考えるのが良いでしょう。

●適応障害の治療-薬物療法


適応障害の原因は環境が原因になっている病気ですから、お薬による治療は根本的な治療方法ではありませんが、症状を軽減してストレスに向き合ったり、すぐに環境から離れられない場合には助けにはなります。
会社のストレスが原因とわかっていても、人員不足や引き継ぎが必要ですぐには休めないというのはよくあることです。そのような場合には睡眠薬を飲んで不眠を改善させたり、出勤前・仕事中の不安や緊張が強くて辛い場合に抗不安薬で症状を和らげることは、症状を悪化させないためにも一時的には必要になることがあります。

●適応障害の治療-適応障害で使われるお薬


繰り返しになりますが、適応障害は環境が原因なので適応障害に対して根本的に効くお薬というのはありませんが、症状があまりにつらい時は症状を和らげたり改善するためにお薬を使う場合があります。
具体的には、不眠が続けば睡眠薬を使うなど適応障害で生じる様々な症状に合わせてお薬を選択します。
症状が軽快したら、徐々にお薬を減らしていきます。

不眠が続くとき-睡眠薬
明日の仕事のことを考えると不安になり眠れない、特に日曜日の夜が辛い
不眠には寝つきが悪い、途中で目がさめる、朝早く起きてしまう、など様々な症状があるので症状に合わせてデジレル、マイスリー、レンドルミン、ベルソムラなどの睡眠薬を処方します。

不安や緊張が強いとき-抗不安薬
出勤前に腹痛・ドキドキする、勤務していても急に涙が溢れる、上司に叱責されないかドキドキする
リーゼ、レキソタン、ワイパックスなど抗不安薬を処方します。

抑うつ、意欲低下が強いとき-抗うつ薬
すぐに環境が変えられない、残業が多くうつ病の一方で手前である
レクサプロ、サインバルタなど

●適応障害の治療-休職


仕事が原因となっているなら環境から離れるために休職しようかと考えることもあると思いますが、休んだら迷惑をかけてしまう、休職するとに職場に戻りづらくなるのではないかと悩む人も多いでしょう。
人によって職場環境も症状も異なるため、相談してその人にあった対応を考えるのが良いでしょう。

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