高濃度ビタミンC点滴療法の治療効果・副作用などについて

高濃度ビタミンC点滴療法の治療効果
JMスマイルクリニックでは以下の方に治療をおすすめしています。

  1. がん治療中の方 ※がんの治療は継続してください。
  2. 手術後の再発予防的投与をご希望の方
  3. がん発症のリスクを下げたい方の予防的投与
  4. 免疫力が低下している方、風邪予防
  5. 健康増進、疲労回復目的の方(点滴する毎に体全体が元気になる、爽快な気分でやる気が出る等)
  6. 美白・美肌等の美容目的・アンチエイジングをご希望の方(肌がきれいになり、ツヤが出る、しみが薄くなる等)

JMスマイルクリニックのオリジナル点滴の記事でも紹介したように、ヒトはビタミンCを作れないため、食事から補給するしかありません。血管にダイレクトに高濃度のビタミンCを注入する高濃度ビタミンC点滴療法は、ビタミンCの様々な恩恵をカラダの隅々にまで行き渡らせるすばらしい治療方法なのです。

「ビタミンCなんて食事やサプリからとれば十分なんじゃないの、わざわざ点滴までする必要があるのかしら」と思われる方が大半だと思います。しかし、食事やサプリからどんなにたくさんのビタミンCを摂っても、体内に吸収されるのはそのうちほんのわずかな量に過ぎません。血管にダイレクトに高濃度のビタミンCを注入する高濃度ビタミンC点滴療法なら、経口摂取の20〜40倍ものビタミンCを即時に体内に吸収できるのです。

「ビタミンCを摂ったって何もわからないし、何も感じないわ」と思われるでしょうが、血管にダイレクトに高濃度のビタミンCを注入する高濃度ビタミンC点滴療法では、瞬時に効果が出ます。高濃度ビタミンC点滴療法では、ビタミンC10gの量でも治療直後に「ノドが乾いた」とおっしゃる方がほとんどです。これは高濃度のビタミンCが即時に体内に吸収されて”浸透圧”という体内のバランスを取っている圧の均衡が一時的に崩れるからです。副作用とも言えますが、副作用を感じるということは、治療の作用も瞬時にカラダに行き渡っているということで、つまり高濃度ビタミンCが瞬時にカラダに吸収された証拠でもあるのです。

このように、確かに高濃度のビタミンCが瞬時にカラダに行き渡る、高濃度ビタミンC点滴療法の成分であるビタミンCの効果について見ていきましょう。

美肌・美白・アンチエイジング効果
ビタミンCは、コラーゲンの合成に深く関与しているため、お肌のハリを維持するコラーゲンの生成を促す作用があるため、お肌のハリを維持し、シワを改善させたり、シワを予防したりする効果があります。ビタミンCにはチロシナーゼという酵素の働きを阻害し、メラニン(シミ・そばかすの原因)の沈着を防ぐ作用があるので、栄養欠乏によってビタミンC欠乏になると色素沈着が起こりシミの原因となります。点滴療法によるビタミンCの補充でメラニンの沈着(シミ・そばかす)を防ぎ透明感ある肌を維持する効果があります。また、お肌の抗酸化作用で活性酸素を分解することでニキビの炎症を抑える効果もあります。その他、アトピーの改善効果もあります。

薄毛改善効果
薄毛の原因は「17型コラーゲン」という物質が破壊され、毛包幹細胞が死滅してしまうからであると特定され、ビタミンCを投与したマウスは17型コラーゲンが増幅し、毛包幹細胞が増殖することが報告されています。

がん予防・がん治療効果
1954年にノーベル化学賞を受賞したポーリング博士は、1970年代にビタミンCの点滴と経口サプリメントで、ビタミンCの投与が末期進行がんの患者の生存期間を4.2倍から6倍も延長することを、医学誌「米国科学アカデミー紀要」に発表しましたが、医学界での評価が不十分で、がん治療としてのビタミンC投与法は普及には至りませんでした。しかし、2005年、米国国立衛生研究所(NIH)、米国国立ガン研究所(NCI)、米国食品医薬品局(FDA)に所属する科学者、およびアイオワ大学フリーラジカル放射線科研究部門のドクターらが「米国科学アカデミー紀要」に「アスコルビン酸は選択的にガン細胞を殺す」と言うタイトルの論文を発表したことにより、米国の大学病院を中心に高濃度ビタミンC点滴療法ががんの補助療法として研究と普及が始まり、日本でも2007年から徐々にがん治療の選択肢として導入されるようになりました。

なぜビタミンCががんの予防やがん治療に効くのでしょう。

老化やがんなどの病気には、過酸化水素などの活性酸素による「酸化」という共通したメカニズムが関与していることがわかっています。
カラダに取り込まれた酸素の一部は体内で「活性酸素」へと変化します。活性酸素は、食物に付着している細菌を活性酸素が殺菌するなどして安全に食事ができるなどの感染防御や栄養代謝など、人間の生命維持に必要不可欠なものです。一方で、活性酸素は化学的に不安定な物質なので、タンパク質、DNA、糖質などと反応して、自分自身の細胞にダメージを与えることがあるのです。これが活性酸素による「酸化」です。しかし、ヒトにはグルタチオンなどで活性酸素の害を防御する「抗酸化作用」が備わっています。つまり、ヒトのカラダはよくできていて、「酸化」と「抗酸化作用」のバランスを自然と取っているのです。しかし、ストレス、タバコ、紫外線などでこのバランスが崩れて活性酸素の産生が抗酸化防御機構を上回ると、カラダによくない状態になり、これを「酸化ストレス」といいます。

酸化ストレスはカラダに様々な悪影響をもたらしますが、その最たるものが、がんです。がん細胞は、糖(グルコース)を栄養としながら活発に増殖しますから、グルコースと構造が似ているビタミンCをグルコースとカン違いしてビタミンCを積極的に取り込みます。ビタミンCは細胞内に入ると毒性のある過酸化水素を大量に発生するという悪い面があり、このため酸化ストレスの状態になります。しかし、がん細胞は過酸化水素を除去する酵素が非常に少ないため、細胞内で過酸化水素が大量発生し、がん細胞が死滅していきます。
これが高濃度ビタミンC療法のしくみです。

ではなぜ、正常細胞は破壊されないのでしょうか。

ビタミンCは酸化により過酸化水素という毒素と、酸化型アスコルビン酸という細胞の免疫力を高める物質に変化します。先ほどお話ししたようにヒトのカラダには抗酸化作用が備わっていますので、正常細胞では、ビタミンCが過酸化水素を発生させても、カラダに備わった抗酸化作用で除去されて無害化されます。そして酸化型アスコルビン酸だけを取り込み、免疫力を強化していきます。このように、ビタミンCには正常細胞を活性させる良い面もあるため、体の良い部分をさらに元気にし、がん細胞だけを破壊することができるのです。これが、正常細胞に害を与えることなくがん細胞だけを殺すしくみです。

以上のことから、「副作用が非常に少ない理想的なな抗がん剤」と言われているのです。

この治療は嘔気や嘔吐、脱毛といった副作用がありません。
抗がん剤や放射線治療との併用で効果が高まるだけでなく、抗がん剤の副作用を軽減させる結果として、QOL(生活の質)が改善します。痛み・倦怠感が軽減し、食欲増進や心身の体力回復につながります。

超高濃度ビタミンCは活性酸素を除去し、炎症を抑えて体の回復を早めます。
また排毒作用が強く、役目を果たした抗がん剤の排泄を促します。

免疫増強効果
ビタミンCには細菌やウイルス排除効果のある「リンパ球」、免疫系および炎症の調節などの働きをする「インターフェロン」等を活性化し、免疫力を高める作用があります

ストレス抑制効果・自律神経安定効果
抗ストレスホルモンといわれる副腎皮質ホルモンの生成に関わるので、ビタミンCはストレス抑制効果があります。

アレルギー軽減効果
アレルギー発症にはヒスタミンという物質が関わっていいます。ビタミンCはヒスタミンを破壊することにより血中ヒスタミン濃度を減少させ、鼻炎や花粉症などに代表されるアレルギー症状を軽減する作用があります。

高濃度ビタミンC点滴療法の治療方法

美容・アンチエイジング・免疫増強目的など
即効性を感じる反面、効果持続期間は長くても1週間程ですので、最初は1週間に1~2回を継続してコンディションを整えましょう。徐々に間隔を開けながら、継続的に受けられることをお勧めします。

効果には個人差がありますので、頻度はあくまで目安となり、ご自身のペースで継続されることが大切です。

がん予防・がん治療
治療の頻度は治療開始時点では週2回が標準となります。抗がん剤や放射線治療をされている方、あるいはこの治療法を単独でされる方でも、同じ頻度で治療を行います。
がんの腫瘍が完全に消失したという段階になったら、半年ほどは週1回の治療を続けます。その後は、半年あるいは3カ月ほど、2週間に1回、その次の段階では月に1回、といったように、だんだん頻度を減らしていきます。
治療の期間については、人によって変わります。

抗がん剤や放射線治療を受けていると、吐き気で食事が取れなくなったり、体力が低下するなどの副作用が現れます。そのような症状は、3回ほど治療を受けただけでもかなり効果を実感されることが多いようです。
がんを死滅させる効果ということになると、個人差があること、抗がん剤や放射線治療など他の治療の効果も影響するので、明確にいつ頃からとはいえません。しかしながら、ビタミンCの血中濃度が350~400mg/dlに達すると、強い抗腫瘍効果が発揮されることが研究によりわかっていますので、治療によってそのレベルまで上げれば、がんを治す効果が出始める可能性が高くなるといえます。
高濃度ビタミンC療法が、がんの再発を予防したという症例のデータはまだ多くありませんが、概念的には、再発の予防に十分役立つ治療法だと思われます。

このように有益ながん治療ですが、効果には個人差があり、症状や状態によっても異なりますので、超高濃度ビタミンC点滴療法を受ける全ての方に効果があるわけではありません。

高濃度ビタミンC点滴療法の副作用

見かけ上の高血糖
ビタミンCとブドウ糖は化学的構造が似ているため、簡易血糖測定器で測る血糖値が高く出てしまいますので、自己血糖測定をしてインシュリンの注射量を決めている糖尿病患者ではインシュリンの量に注意しなければなりません。 そのため、JMスマイルクリニックではインシュリン注射を行っている方に超高濃度ビタミンC点滴療法を行っておりません。

低血糖
先ほどお話しした様に、ビタミンCとブドウ糖の化学的構造が似ているため、ビタミンCを誤ってブドウ糖と認識することにより、インスリン(血糖を下げるためのホルモン)が過剰に出てしまうことにより生じます。点滴開始15分以内に多いとされています。空腹の状態で点滴を受けないことが大切です。

溶血性貧血
G6PDという酵素が欠損している方は、赤血球が壊れる溶血性貧血を起こすことがありますが、JMスマイルクリニックでは専用の測定器をご用意しているためすぐに検査で確認できます。

吐き気・頭痛
ときどき見られる副作用ですが、空腹や脱水状態、点滴の速度や、患者さんの全身状態などによります。点滴の速度をゆっくりにするなどして対応します。

血管痛
静脈のれん縮、圧迫によるうっ滞などが原因として考えられますので、点滴速度を遅くして、局所を温めるなどの対応をします。

眠気
ビタミンCには、抗ヒスタミン作用があります。抗ヒスタミン作用とは、花粉症のお薬を飲むと眠くなるのと同じメカニズムによるものです。一時的なものなので特に心配はありません。

低カルシウム血症(テタニー)
ビタミンCのキレート作用により、低カルシュウム血症による手足や口唇周囲がしびれるなどの知覚異常症状をまれに起こすことがあります。

がんの壊死・出血
1例ですが点滴初日に腫瘍から出血を起こした事例の報告がありますが、大事には至っていません。このような腫瘍出血はこれまでの抗ガン剤の投与でも見られる副作用です。これを防ぐために初回からの大量投与はさけ、ビタミンC10gから開始し、徐々に投与量を増加させます。

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